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概要(診療体制)

子どもからおとなまで
切れ目のない診療体制で発達障害の患者さんや
ご家族をサポートします

名古屋市立大学病院では以前より小児科と精神科の両方で自閉スペクトラム症をはじめとする発達障害(神経発達症)の診療に取り組んでいました。こうした発達障害(神経発達症)は、以前は主に子どもの病気とされていましたが、最近になっておとなになってもしばしば問題が持続することが分かってきました。このため、こうした患者さんに対しては、ライフスパン全体を通した支援が必要となります。支援は医療にとどまらず、子育て、教育、就労といった日常生活全般に深く関わってきます。これらを、名古屋市の子ども青少年局、健康福祉局、教育委員会の3局と共同して、医療という立場で関わっていくのが"こころの発達診療研究センター"の使命です。

"こころの発達診療研究センター"では、主に子どもからおとなまで全ての年齢の発達障害(神経発達症)の患者様の診療を行なっています。当センターの精神科医・小児科医・心理師を中心に、名古屋市立大学病院の精神科・小児科・臨床心理室などと連携をしながら診療します。また、発達障害(神経発達症)に関する医学的な研究・調査を行い、その成果を日々の生活で困っている患者様に還元していきます。

さらに、名古屋市だけにとどまらず、発達障害(神経発達症)に関する先進的な取り組みと医療を提供できるような体制づくりを目指します。患者様やそのご家族は、すでに感じられているかもしれませんが、発達の遅れがあるのではないか、学習についていけない、学校に行けないといった悩みがある時にすぐに相談できる場所や医療を探してもなかなか見つかりません。更には、おとなになっても、対人関係が苦手で引きこもっている、職場でうまく適応できないといった問題で相談しようとしてもどこに行ったらよいのか迷うこともしばしばです。こうした問題に対応できるようなシステム作りも同時に展開しています。

施設の特徴

精神科医・小児科医・心理士が協働して診療します

"こころの発達診療研究センター"では、主に発達障害(神経発達症)を専門とする精神科医2名・小児科医2名・心理師2名が協働して診療を行なっています。また、大学病院の特色を生かして、精神科や小児科の医師とも連携を行い、発達障害(神経発達症)以外の精神疾患や身体の疾患のある患者さまの診療を行います。現在の困りごとに関する問診、これまでの発達歴の評価、質問紙などの各種評価ツールを使用した認知特性の評価、発達検査や知能検査などを行い、的確な診断を行い、患者さまに適した支援方法の検討していきます。本人への心理教育、家族など周囲の方の対応へのアドバイス、薬物治療などを行います。また、必要に応じて臨床心理室の心理師などと連携してカウンセリングなどを行います。加えて、医療のみでなく、教育、福祉と連携した支援も提供していきます。

主な対象疾患

"こころの発達診療研究センター"では「それぞれのライフステージに応じた発達障害の診療」および「子どものさまざまなこころの問題の診療」を行っています。

  • 自閉スペクトラム症(ASD)
  • 注意欠如・多動症(ADHD)
  • 限局性学習症(SLD)
  • チック・トゥレット症
  • 小児心身症
  • 子どものうつ病、気分変調症
  • 子どもの不安症、恐怖症、社交不安症、強迫症
  • 子どもの解離症、転換症
  • 心的外傷後ストレス障害(PTSD)、アタッチメント障害(RAD/DSED)
  • 不登校
  • 抜毛、吃音、緘黙、遺尿、遺糞 など

実施可能な検査

名古屋市立大学病院では下記の検査の実施が可能です。"発達の問題"や"こころの問題"に見えても、身体の病気が隠れている可能性もありますので、血液検査など一般的な検査を行う場合もあります。患者さんの特性を把握し、苦手な部分や得意な部分を見つけるために、さまざまな認知に関する検査を行います。検査内容に関しては主治医にお任せください。

  • 発達・知能検査:WAIS-Ⅳ知能検査、WISC-V知能検査、田中ビネー知能検査V、新版K式発達検査、K-ABC-Ⅱなど
  • 人格検査・認知機能検査:描画テストなど
  • 発達障害に関する検査:ADI-R、PARS-TR、AQ日本語版、Conners3など
  • 学習障害に関する検査:STRAW-R、特異的発達障害診断・治療のための実践ガイドライン検査など
  • 血液検査
  • MRI検査
  • 脳波検査 など

受診までの流れ

完全予約制です。当センターの受診を希望される方は以下の流れをご参照ください。お子様の症状についての御相談はメールや電話等でお受けすることはできませんのでご了承ください。

  • Step1

    受診対象

    • 小児科枠
      中学生以下の方で発達障害が中心となりますが、発達・精神の症状全般に対応しています。
    • 精神科枠
      18歳未満の方で発達障害が中心となりますが、発達・精神の症状全般に対応しています。また、18歳以上の方は発達障害または発達障害の疑いのある方を対象としています。
  • Step2

    地域の医療機関の受診

    当センターを受診するためには医療機関(お近くのかかりつけ医など)からの紹介状が必要です。受診した医療機関から名古屋市立大学病院の地域医療連携室にご連絡をいただき、WebもしくはFaxで予約を取得していただきます。各医師により、対象とする年齢、専門分野、初診の待機状況が異なるため、紹介状の内容を確認した上で、適切な担当医をこちらで決めさせていただきます。必ずしもご希望の医師が担当にならない点をご了承ください。

  • Step3

    初診

    初診の際はお子様と一緒にお越しください。この時、必ず保険証・母子手帳をお持ちいただくようお願い致します(他機関での心理検査結果等があれば、そちらもお持ちください)。