お知らせ

スマートフォン認知行動療法の大学生のうつ病予防効果を検討した坂田昌嗣ら主導の要因ランダム化比較試験の結果がJMIR Mental Health(IF=4.8)に掲載されました。

2024.9.27

坂田昌嗣が2018年から主導した「ヘルシー・キャンパス・トライアル」の1年後長期追跡結果がJMIR Mental Health(IF=4.8)に掲載されました。「ヘルシー・キャンパス・トライアル」は、大学生のメンタルヘルス増進を目的としたスマートフォン認知行動療法(iCBT)の5つの要素(セルフモニタリング、行動活性化、認知再構成法、アサーション、問題解決技法)のうち、有効な要素を抽出することを目的とした完全要因ランダム化比較試験です。今回長期追跡では、1623名の大学生を対象にうつ病の発症予防に最適なiCBT要素を検討しました。1年間を通して全軍で抑うつ症状が軽減し、1年後のうつ病発症率は10%でした。しかし、各iCBT要素の有無による発症率に差は認められず、有効要素を発見することはできませんでした。しかし、これだけ大規模な要因試験は世界に類がなく、今後の研究において予防的iCBTを最適化する上で豊富なヒントを得ることができました。

Nakagami Y, Uwatoko T, Shimamoto T, Sakata M, Toyomoto R, Yoshida K, Luo Y, Shiraishi N, Tajika A, Sahker E, Horikoshi M, Noma H, Iwami T, Furukawa TA
Long-Term Effects of Internet-Based Cognitive Behavioral Therapy on Depression Prevention Among University Students: Randomized Controlled Factorial Trial
JMIR Ment Health 2024;11:e56691 https://doi.org/10.2196/56691