【学会発表】坂田昌嗣が日本認知療法・認知行動療法学会と日本産業ストレス学会のシンポジウムでデジタル不眠介入のエビデンスについて登壇しました
2025.11.29
坂田昌嗣は、第25回日本認知療法・認知行動療法学会(JACT、東京)と、第33回日本産業ストレス学会(JAJSR、北九州)のシンポジウムに登壇しました。
坂田は、大規模なRESiLIENT試験のデータに基づき、スマートフォンを介した睡眠行動療法(BI)の有効性を報告しました。
不眠症状(ISI ≥ 8)を持つ成人を対象とした解析では、BIは健康情報提供や気分改善を目的とする行動活性化(BA)と比較して、不眠症状を有意に改善し、その効果は26週間後も持続する傾向が見られました。BIは、不眠だけでなく抑うつや不安症状も改善する効果を持ちます。
特に、気分改善要素であるBAを上乗せしても不眠改善に付加的利益はないことから、ターゲットを絞ったシンプルな睡眠介入が最も効率的であるという知見が強調されました。
これは、不眠症に対する国際的な第一選択治療である認知行動療法(CBT-I) を、専門家不足や地理的な障壁を克服し、職域や一般市民に広く提供するためのスケーラブルな公衆衛生予防ツールとして位置づけるものです。睡眠への介入は、従業員の受容性が高く、うつ病の一次予防にも貢献する二重のベネフィットを持つと結論づけられました。