坂田昌嗣が共著者として参画した閾値下抑うつに対する心理介入の個人データメタ解析の国際共同研究が、精神医学分野で影響力のある学術雑誌British Journal of Psychiatry(IF=8.7)に掲載されました。
2025.05.19
📘 論文タイトル:
Psychological intervention in individuals with subthreshold depression: individual participant data meta-analysis of treatment effects and moderators
(抑うつ症状が診断基準に満たない「軽症うつ」の人々に対する心理的介入の効果とその要因:個別データメタアナリシス)
🔍 研究概要:
本研究では、軽症うつの人々を対象とした心理的介入(主に認知行動療法など)の効果を、世界50件のランダム化比較試験から得られた約10,000人分の個別参加者データを用いて統合・分析しました。その結果、心理的介入はうつ症状の悪化を防ぎ、1年間にわたって症状を軽減する効果が確認されました。特に、症状の程度がやや高い人ほど効果が大きいことが明らかになりました。
📌 主なポイント:
対象:診断基準に満たない抑うつ症状をもつ成人
方法:個別データメタアナリシス(IPD-MA)
データ数:約10,000人・50研究
効果:うつ症状の軽減・悪化防止(1年まで)
形式:対面・オンライン・電話など様々な介入を含む
この成果は、うつ病の重症化を防ぐ「早期介入」の意義を強く示しており、今後のメンタルヘルス施策に大きな影響を与えることが期待されます。
▶ 詳細はこちら(原著論文):
https://doi.org/10.1192/bjp.2025.56