坂田昌嗣が協力したうつ病予防のための心理学的介入に関する国際共同研究がLancet Psychiatry(IF=30.8)に掲載されました。
2024.11.20
診断に至らない一定の抑うつ症状を示す人々に対して、心理学的予防介入の臨床試験がこれまで蓄積されてきました。
ドイツのオットー・フォン・ゲーリケ大学マクデブルク、ミュンヘン工科大学、オランダのアムステルダム自由大学、日本の京都大学との共同研究に当講座の坂田昌嗣が協力し、これまで報告された臨床試験の個人データを集約した結果がLancet Psychiatry (IF=30.8)で掲載されました。心理学的介入直後に0·57倍、半年後に0·58倍、1年後に0·67倍にうつ病発症を予防できることが分かりました。2年後には予防効果は見られませんでした。特に過去に心理療法を受けたことがない人に対して大きな予防効果がみられました。
これらの知見は、うつ病による世界的な疾病負荷の軽減に役立てることが期待されます。
- Buntrock C, Harrer M, Sprenger AA, Illing S, Sakata M, Furukawa TA, Ebert DD, Cuijpers P, IPD Prev Dp Consortium. Psychological interventions to prevent the onset of major depression in adults: A systematic review and individual participant data meta-analysis. Lancet Psychiatry, 2024; 11: 990-1001.