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神経発達症を抱える方々の
ライフスパン全体を
通じた様々な支援を行います

教授山田 敦朗

Atsurou Yamada

『こころの発達医学寄附講座』は名古屋市からの寄附により2023年8月1日に設置されました。また、同時に名古屋市立大学病院に『こころの発達診療研究センター』が開設されました。ここでは、発達障害を抱える方々に対する医療と支援とともに発達障害の研究にも取り組んでいきます。発達障害は医学的には神経発達症と呼ばれます。

近年、神経発達症の問題を抱える方の割合は増加しています。例えば、2022年度の文科省による「通常の学級に在籍する特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する調査」で「学習面又は行動面で著しい困難を示す」とされた児童生徒数の割合は、小中学校で8.8%と報告されています。こうした神経発達症は子どもだけの問題ではありません。大学生になった後の単身生活が難しかったり、就職後に仕事で困難を抱えたりして初めて気づかれるケースはたくさんあります。このため神経発達症を抱える方々に対してはライフスパン全体を通じた様々な支援が必要となってきます。医療にとどまらず、子育て、教育、就労といった日常生活全般に深く関わる支援が求められます。我々の使命は、名古屋市の子ども青少年局、教育委員会、健康福祉局の3局と協同して神経発達症の方々を支えていく体制を作っていくことです。

我々が具体的に取り組んでいくことは、神経発達症に関する医学的な調査研究、医療・保健・福祉・教育などの現場で活用できるアセスメントツールの開発、神経発達症の診療に関わる医師を対象とする神経発達症研修プログラムの開発、神経発達症の支援に関わる職員を対象とする発達支援プログラムの開発です。そして研究成果を踏まえ、診療体制の構築、神経発達症に関わる職員研修、困難ケースへの対応に関する助言、支援、全ライフステージにおける神経発達症に関する職員向け支援ガイドラインの作成といった連携事業も行っていきます。

神経発達症を抱える方々とその家族だけでなく、支援者の方々をはじめ、皆様に対して開かれ、寄り添えるセンターを目指していきたいと考えています。どうぞよろしくお願い申し上げます。

寄附講座とは

教育研究の進展及び充実を図ることを目的に、民間企業や行政機関等からの寄附金を活用し、設置、運営する講座。